発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007149742
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44歳男性。患者は突然の激しい頭痛を主訴に他医に搬送された。頭部MRIでは異常は認められず、その後、症状は軽快したが、翌週2日間出勤し外来を行うも数分転度の立位・座位で頭痛が発生した。そのため、自分の勤務病院に入院となった。入院後、トイレ歩行のみ離床、食事のみ座位許可の安静度と、1日1500mlの輸液で頭痛は軽快傾向にあった。しかし、起立座位時の頭重感が残存し、頭部造影MRIにて著明なびまん性硬膜増強を認め、脳漕シンチでは髄液初圧が4 cmH2Oであった。以上より、脳脊髄液減少症と診断され、滋賀医科大学病院神経内科に転院となった。脳漕シンチでは漏出部位は特定できず、ブラッドパッチ(EBP)を行う方針となった。腰椎EBPでは一時的に症状は消失したが、再悪化し、2回目の頸椎EBPは無効で、3回目に施行した胸腰椎移行部EBPが有効であった。尚、本症例は臨床症状とその経過から、漏出部位は上位腰椎レベルの右神経根近傍であることが推測された。
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