発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006197904
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後方不安定型骨盤骨折に対し,C-arm mobile CTとナビゲーションシステムを併用して,仰臥位で仙腸関節を経皮的iliosacral-screw刺入により固定する方法を考案した.本法を施行した2例(症例1:43歳男,症例2:50歳女)を提示した.症例1は高所より転落して受傷し,骨盤骨折はYoung-Burgess分類のvertical shear type,AO分類のC2,Denis分類のzone IIであった.受傷3日目に全身麻酔下で右のS1に6.5mm中空スクリュー2本で固定し,S2は同スクリュー1本で固定した.挿入した術後のS1のCTはナビゲーションの画面と同じであった.症例2はかがんでいる姿勢で車にひかれ受傷した.骨盤骨折はYoung-Burgess分類のantero posterior compression type III,AO分類のC3,Denis分類のzone IIであった.受傷5日目に全身麻酔手術を行い,S1にナビゲーションしながら6.5mm中空スクリューを挿入し,S2にも同様に挿入した.前方の不安定性に対し創外固定を追加した.両症例とも術直後より背部痛は軽快し,体動もスムーズになり,ローリング・ギャッジアップから車椅子移乗可能となった
©Nankodo Co., Ltd., 2006