発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006036243
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プロ競輪選手の外傷の実態を調査し,その予防策および治療上の問題点を検討した.プロ競輪選手にアンケート調査を行い,回答の得られた60名(76.9%)を対象とした.外傷の既往は一人平均4.5回で,競技活動3.1年に1回の割合であった.競技活動の中止を要した外傷は102例で,レース中の発症が100例と多く,受傷原因は接触による落車事故が多かった.外傷の種類は骨折が半数以上を占め,受傷部位は肩甲帯および体幹部が多かった.治療は,保存的治療が70例に,手術的治療が32例であった.手術的治療では32例中23例が鎖骨骨折であった.競技復帰までの期間は保存的治療が2.5ヵ月,手術的治療が1.6ヵ月であった.競輪外傷の予防には落車事故を減らすことが重要で,そのための競技規則の改正,違反行為に対する罰則の強化に加え,選手個人のマナー向上やプロテクターの着用義務化が有効であると思われた.また,鎖骨骨折は一般的には保存的治療の適応となるが,プロ競輪選手においては早期競技復帰が可能な手術的治療を適応しても良いと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005