発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154778
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92歳女.転倒して右大腿骨頸部骨折を受傷し人工骨頭置換術を施行した.手術では側臥位にて患側股関節を屈曲60°最大内旋位とし,大転子頂部内側を基点として大腿骨軸の近位延長線上に約6cmの皮切を加えた.大腿筋膜張筋から大臀筋を露出し縦割して大転子に到達し,この時点でラッププロテクターを皮膚から大臀筋下層まで包み込むように挿入した.このようにして創縁を保護しつつ以後の操作は従来の股関節後方アプローチと同様に行ったが,術後2週を経過して創は良好に治癒した.ラッププロテクターは腹腔鏡手術において創縁保護目的で開発されたものであるが,著者らは2004年1月より小皮切人工骨頭置換術において使用しており,9例中8例において使用可能であった.以上より,小皮切手術に際して皮膚の過牽引やリーマーの接触などによる創縁の損傷予防にラッププロテクターは有用であるものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005