発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012080902
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岩木健康増進プロジェクトで両股関節立位正面X線撮影を行い、両側のX線判定・計測が可能であった394例(男性154例・24~74歳、女性240例・21~85歳)を対象に、股関節cross-over sign、posterior wall signと胸椎・腰椎・骨盤アライメントの関係について検討した。その結果、cross-over signおよびposterior wall signの陽性率は、正常股関節ではそれぞれ3.5%、13.3%、臼蓋形成不全ではそれぞれ5.4%、35.5%と、いずれの陽性率も臼蓋形成不全例で高かった。またcross-over sign、posterior wall sign陽性例は骨盤傾斜角が有意に前傾していた。臼蓋後捻の指標とされるcross-over sign、posterior wall signは前方被覆過多の絶対値を示すものではなく、あくまで相対的な指標であり、必ずしも症状を引き起こすとは言えないことが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2011