発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039472
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24歳女.左股部痛を主訴とした.2000年に主訴が出現し,他院で左股臼蓋部類骨骨腫と診断されて切除術を受け,一時的に疼痛は軽快したが,2001年,再び増強した.CTとその三次元再構成像で左股臼蓋荷重部に複数の小硬化巣を認め,そのうち一つの病巣がMRIで造影されるnidusを含むことが判明した.Nidusは極めて小さく,画像診断がしばしば困難であり,術中に骨の表面から肉眼的に,あるいはX線透視でnidusの位置を同定することは困難である.本例に対しては,CT-basedの光学式ナビゲーションを利用して,術中X線被曝なしに小さな切開で腫瘍に正確に到達でき,切除し得たので手術所見を報告した.術前には,CTから骨盤,大腿骨,皮膚を半透明にした表面モデルを作成し,病変部に到達する最短で骨盤にできるだけ垂直のルートを検討し,左大腿骨大転子近位端から前上方にのばした皮切から約20度前方に向けて進入するルートを決定した
©Nankodo Co., Ltd., 2004