発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004128380
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手関節単関節炎として発症した関節リウマチ(RA)の臨床像について自験例16例と9編の文献より得られた50例の症例を合わせて検討した.ESR 1時間値,CRR,リウマトイド因子はいずれも有力な診断材料とはなり得ず,日本リウマチ協会早期RA診断基準,アメリカリウマチ協会判定基準はいずれも感受性が低かった.X線像上の変化,滑膜の病理所見は有力な診断材料となり得ると考えられた.術式はankylosingやpartial ankylosingのような安定型ではhemiresection arthroplasty(HIA)やmatched ulnar arthroplasty(MUA)が,narrowing typeや一部のcollapsing typeではHIA,MUA,棚形成の適応となり,ムチランスタイプのような不安定型では部分手関節固定や全手関節固定,non-union arthroplastyが適応と考えられた.ESR 1時間値,CRP値が高値,滑膜の病理所見でリンパ濾胞の存在する例では多関節型への移行が考慮され,step-down bridge療法の導入を考慮してもよいと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004