発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003252319
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骨・軟部悪性腫瘍に対する集学的治療と妊娠・出産への対応を検討した.対象は治療終了後に,妊娠出産に成功した症例1:14歳と症例2:28歳の2症例とした.多剤併用化学治療法により無月経を生じた横紋筋肉腫の症例1に対しては,クロフェミン療法とKaufmann療法を用いて不妊治療を行い,出産に成功して母子ともに健康である.骨肉腫の診断時妊娠3ヵ月であった症例2では,術後6年を経て再発・転移の無いことを確認した後,出産を計画して男児を出産し,異常を認めていない.抗癌薬の卵巣機能に対する影響に関し,卵巣毒性,卵巣機能の回復と避妊について述べた.妊娠中に行った抗癌薬投与が妊娠に及ぼす影響については,投与の時期を妊娠前期,中期,後期に分けて検討した.さらに,抗癌薬投与後の妊娠に伴う流産および児の異常,不妊に対する治療法(Kaufmann療法,クロフェミン療法,ゴナドトロピン療法),胎児に対する放射線の影響の特徴について考察した
©Nankodo Co., Ltd., 2003