発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002050322
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23歳女.右足関節の引っかかり感が出現した.超音波でアキレス腱の前方に8mmの嚢胞状陰影を認めた.内側縦皮切を行いアキレス腱の後面を露出したが,腫瘤は確認できなかった.この為アキレス腱を前後から押さえて足関節を底背屈したところ,アキレス腱付着部に近いところに,アキレス腱内と思われる可動性のある腫瘤を触知し,アキレス腱を縦切りして目視確認した.腫瘤は9mm大で透明な被膜より成り,隣接関節との交通茎は認めず,パラテノンから出現しているかは不明であった.この腫瘤を破らず摘出した.引っかかり感は,足関節の背屈の際にアキレス腱内から前面に腫瘤が膨出する為に起こったと推測した.病理組織所見は,線維性結合組織で囲まれた筋腱内単房性嚢腫であった
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