胆膵進行癌に対する外科治療戦略 膵
Borderline resectableおよびlocally advanced unresectable膵癌に対する術前療法
阪本 良弘
1
,
有田 淳一
,
斎藤 圭
,
中井 陽介
,
伊佐山 浩通
,
小池 和彦
,
長谷川 潔
,
國土 典宏
1東京大学 肝胆膵外科・人工臓器移植外科
キーワード:
Leucovorin
,
質問紙法
,
腫瘍多剤併用療法
,
腫瘍侵入性
,
臨床試験
,
膵管癌
,
ネオアジュバント療法
,
Gemcitabine
,
TS-1
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Leucovorin
,
Clinical Trials as Topic
,
Neoplasm Invasiveness
,
Surveys and Questionnaires
,
Carcinoma, Pancreatic Ductal
,
Neoadjuvant Therapy
,
Gemcitabine
pp.742-746
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017324289
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診断時に切除可能な浸潤性膵管癌はおよそ2~3割とされ,多くは切除不能(UR)ないし切除可能境界(BR)膵癌として発見される.しかし,BRないし局所進行性切除不能(LA-UR)膵癌に対して術前療法を施行後に切除する試みが,化学療法の発達とともに盛んに行われるようになり,臨床試験が本邦でも行われている.術前療法はgemcitabine+nab-paclitaxelあるいはgemcitabine+S-1の組み合わせによる化学療法や化学放射線療法によるものが多い.術前治療の導入により,BR膵癌に対する切除断端の陰性化や,LA-UR膵癌を切除するconversion therapyが可能となり,膵癌全体の切除可能性が広がった.しかし,長期予後に関する上乗せ効果についてはさらに多くのエビデンスの集積が必要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2017