膵癌の最新治療 Borderline resectable膵癌と術前化学療法
Resectable/borderline resectable膵癌に対するhigh volume center の取り組み 名古屋大学消化器外科学教室におけるresectable/borderline resectable膵癌に対する治療戦略
浅田 崇洋
1
,
藤井 努
,
山田 豪
,
小寺 泰弘
1名古屋大学 消化器外科
キーワード:
腫瘍侵入性
,
術前診断
,
膵臓腫瘍
,
膵頭十二指腸切除
,
X線CT
,
アルゴリズム
,
治療成績
,
ネオアジュバント療法
,
TS-1
,
放射線化学療法
Keyword:
Algorithms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Pancreatic Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
pp.528-532
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015211908
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当教室では,National Comprehensive Cancer Network膵癌ガイドラインにおける切除境界病変例に対し,術前化学放射線療法(NACRT)を導入している.2010年8月~2014年12月に39例にNACRTを施行し,2例の手術拒否と2例の肝転移出現例を除く症例に対して手術を施行した.動脈浸潤例は20例で,術前画像ではいずれも動脈浸潤所見が残存したが,術後病理組織学的所見では,全例において動脈剥離断端は癌細胞陰性であった.上腸間膜静脈(SMV)/門脈(PV)浸潤例は15例で,1例で術前CT上SMV/PV浸潤所見が消失した.術後病理組織学的にSMV/PV浸潤を認めたものは7例のみで,いずれも剥離断端は癌細胞陰性であった.術前化学放射線療法後の治療効果判定は,術前の画像から判定するのは困難で,切除適応を判断するためには開腹術へ臨む必要があると考えられた.
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