知っておくべき消化器手術の再建法
噴門側胃切除術後の空腸嚢間置再建術
並川 努
1
,
花崎 和弘
1高知大学 外科1
キーワード:
胃腫瘍
,
胃切除
,
空腸造瘻術
,
噴門
,
治療成績
,
食道空腸吻合術
Keyword:
Cardia
,
Gastrectomy
,
Jejunostomy
,
Stomach Neoplasms
,
Treatment Outcome
pp.810-814
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009274462
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U領域の早期胃癌に対して臓器機能温存、機能再建を目的として行われる噴門側胃切除術後空腸嚢間置再建の手術術式を述べ臨床成績について検討した。術式の要点は、(1)迷走神経肝枝、腹腔枝を温存し幽門機能を維持する、(2)残胃の大きさは幽門輪から小彎側で7~8cm、大彎側で15cm前後、空腸嚢は10cmとする、(3)手技の簡素化を図るため空腸嚢と残胃の吻合は二角吻合とする、(4)逆流防止機構としてToupetの噴門形成術を付加するなどである。本術式の治療効果の評価はいまだにエビデンスレベルの高いものは少なく、より生活の質(QOL)の維持・向上をめざした術式の改善・開発が期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2009