発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006009830
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胸部食道癌手術では微小転移を含めたリンパ節転移範囲をいかに正確に診断し郭清するかが重要である.本稿では,磁性体を用いたMRI lymphatic mappingによる食道癌主病巣からのリンパ流の同定法について紹介する.食道腫瘍周囲に消化管内視鏡下に磁性体を注入し,spoiled gradient recalled acquisition in the steady state(SPGR)法でtorso phased array coilまたはC/T/L spine phased array coilを用いMRI画像を撮像した.Spin echo-T1強調画像に比べSPGR法では磁性体陽性リンパ節は低信号に描出され,主病巣からのリンパ流の同定が可能であった.多くの症例で転移リンパがlymphatic mapping上に存在し,その臨床的価値が確認された.磁性体を用いたMRI lymphatic mappingは食道癌リンパ流を術前に詳細に同定でき,食道癌のリンパ流経路の癌進展範囲の診断に非常に有用な方法と思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005