発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005152613
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過去16年間に当教室で経験した胆道閉鎖症30例の治療経験をもとに,その治療成績,挑戦的治療としての外科的治療および術後ステロイド療法について検討した.葛西手術での肝門部結合織切離面を門脈後面のレベルで行った結果,黄疸消失率は30例(吻合不能型25例,吻合可能型5例)中25例(83%)であった.全期間を通じて肝移植なしで術後5年および10年の累積生存率は,それぞれ60.9%および35.9%であった.術後ステロイド療法は静脈内にprednisolone 4mg/kg/日を術後7日目より投与を始め,1ヵ月で漸減した.1日平均ステロイド投与量と黄疸消失に要した術後日数に負の相関を認め,十分量のステロイドを短期間に集中して投与することで早期に黄疸消失が得られた.本症の挑戦的治療には,病因に関する新知見に基づいたさらなる治療展開が今後必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2005