発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003308834
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Crohn病に合併した痔瘻は患者のQOLを著しく低下させる.本症にはCrohn病自体の潰瘍性病変を主体とするprimary lesionから発生する難治性痔瘻と,cryptoglandular infectionにより通常の痔瘻がある.まずこれらを正確に診断し,難治性痔瘻には大腸病変を緩解に導入しながら低侵襲で肛門機能も温存できるSeton法を行い,通常の痔瘻には括約筋温存術などの通常の手術を行う.局所に対する外科治療が効果のない症例にはQOLの向上のために人工肛門造設術を行う.痔瘻に対する抗TNFα抗体は有効との報告があるが,長期予後と呼吸器感染症などの副作用の検討が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2003