発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002013569
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54歳男.右上腹部痛が出現して近医を受診した.経静脈的胆道造影で総胆管末端部異常を指摘され,上部消化管内視鏡で十二指腸第II部に血液貯留を認めた為,精査目的で著者の病院に入院した.画像所見から膵頭部動静脈奇形を合併した膵胆管合流異常と診断した.乳頭形成術・胆嚢摘出術を行い,動静脈奇形は経過観察とした.術後経過良好で退院した.退院数日後より再び右季肋部痛が出現し,10ヵ月間にわたり,抗潰瘍剤,鎮痛剤,安定剤等の内服治療で経過観察を行った.肝機能異常が出現した為精査目的で入院した.胆管狭窄や潰瘍を形成した可能性が高いと考えPpPDを施行した.病理組織学的所見は膵頭部動静脈奇形であった.術後,腹痛は完全に消失した.再手術後11ヵ月目に十二指腸空腸吻合部に潰瘍を形成したが,再手術後2年4ヵ月を経過した現在,経過良好であった
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