発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008148981
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
両側転移性肺腫瘍に対するclamshell incisionによるアプローチについて、その有用性を検討した。当院において2001~2005年の間に転移性肺腫瘍に対してclamshell incisionによる両側開胸を行った症例は4例(男2例、女2例、22~70歳)であった。原疾患は各々右肺腺様嚢胞癌、右足関節滑膜肉腫、右大腿部平滑筋肉腫、右大腿骨骨肉腫で、いずれも両側転移性肺腫瘍にて両葉計9~32ヶ所にわたる肺部分切除術を施行した。術中の視野は良好で、術前CTにて摘出予定とした病変はすべて摘出可能であった。合併症として術中出血を1例に認めた。これは前回手術が右上葉切除と縦隔リンパ節郭清の症例で、肺尖部の癒着剥離面から出血であった。経過中、その他開胸法に関する問題点は認められなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008