発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007094861
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心臓大血管手術施行例を術後の鎮静法によりdexmedetomidine hydrochloride投与群35例(DEX群)、propofol投与群16例(Prop群)に分け、比較検討した。その結果、1)患者背景は両群間で有意差を認めなかった。2)他剤への変更はDEX群6例(17.1%)、Prop群1例(6.3%)で、両群間で有意差はなかった。強心薬・降圧薬の使用、挿管時間は両群間で有意差を認めなかった。3)血行動態の変化では、収縮期・拡張期血圧はともにDEX群がProp群に比し投与開始前より有意に低値を示し、8時間後まで低値を維持した。その他、脈拍、肺動脈圧、心係数は両群間で有意差を認めなかった。4)鎮静の指標では、SAS、RamsayスコアともにDEX群がProp群に比し有意に良好な覚醒を示し、10時間後まで良好に維持された。5)薬剤に起因する副作用は両群で認めなかった。以上、これらのことからも、dexmedetomidine hydrochlorideは心臓大血管手術後の鎮静薬として有用であることが確認された。
©Nankodo Co., Ltd., 2006