特集 自閉症の生物学
自閉症の臨床から生まれた新たな行動評価アプローチ
神尾 陽子
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部
キーワード:
自閉症
,
遺伝的多様性
,
症状評価
Keyword:
Autistic Disorder
,
Genetic Variation
,
Symptom Assessment
pp.495-498
発行日 2015年4月22日
Published Date 2015/4/22
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自閉症のバイオマーカーはまだ特定されていないため,従来どおり行動特徴で定義されるが,悉無律的に診断の有無ではなく,症状の重症度を定量的に評価する方向にシフトしつつある.その新たな行動評価のアプローチによって自閉症の症状や特性に関するエビデンスが最近次々と得られている.また,大規模サンプルを用いた基礎研究や診断ができない0歳児を対象とした前向きコホート研究において行動評価のアプローチが力を発揮する例を紹介する.今後,臨床研究と基礎研究が新しい知識をアップデートし,共有しながら相互の研究がさらに発展することが期待される.
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