特集 がん・免疫・代謝・発生におけるM1/M2分類を超えたマクロファージの機能
がん幹細胞の制御におけるマクロファージの役割
地主 将久
1
1北海道大学遺伝子病制御研究所附属感染癌研究センター
キーワード:
腫瘍幹細胞
,
マクロファージ
,
発癌
Keyword:
Macrophages
,
Neoplastic Stem Cells
,
Carcinogenesis
pp.1238-1241
発行日 2014年11月22日
Published Date 2014/11/22
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がん幹細胞の活性・維持に重要な微小環境ニッチとしてマクロファージが重要な役割を果たすことが明らかにされつつある.そのメカニズムとして腫瘍マクロファージはM-CSF,IL-6を産生して,Stat3などがん細胞の幹細胞形質に重要なシグナル活性を介して,がん幹細胞誘導・活性に貢献していることがわかってきた.さらに,抗がん剤耐性のがん幹細胞はIRF5を介してM-CSFを産生することでマクロファージ浸潤・活性を促進することで,がん細胞にがん幹細胞形質を誘導し,発がん活性や抗がん剤耐性獲得に寄与していることが明らかになった.さらに今後,マクロファージ- がん幹細胞クロストークの詳細を明らかにすることが新たながん治療戦略の構築に貢献する可能性がある.
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