特集 IL-20以降の新しいインターロイキンの機能と関連疾患
基礎の基礎
吉田 裕樹
1
1佐賀大学 医学部分子生命科学講座生体機能制御学分野
キーワード:
Cytokines
,
Interleukins
,
シグナルトランスダクション
,
研究
,
造血
,
データベース
,
マクロファージ
,
自然免疫
,
リンパ球
,
Cytokine Receptors
,
細胞死
,
細胞培養技術
,
ノックアウトマウス
Keyword:
Hematopoiesis
,
Immunity, Innate
,
Macrophages
,
Interleukins
,
Lymphocytes
,
Research
,
Signal Transduction
,
Cytokines
,
Cell Death
,
Receptors, Cytokine
,
Cell Culture Techniques
,
Mice, Knockout
,
Databases as Topic
pp.742-747
発行日 2012年6月22日
Published Date 2012/6/22
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サイトカインとは,微量で機能を発揮する細胞外情報伝達分子の総称で,免疫細胞を含む様々な細胞に作用してその機能を変化させる働きを持っている.サイトカインは,特異的な抗原による刺激の有無にかかわらず,また主要組織適合遺伝子複合体(MHC)による拘束を受けることなく,受容体を発現する標的細胞に作用を及ぼす.サイトカインの多くは,感染や腫瘍に対する生体防御反応において重要な役割を果たしているが,自己免疫疾患やアレルギー性疾患においては,自己を傷害する作用を示すことになる.また,感染症や教科書的な免疫疾患以外の多くの疾患においても,サイトカインが様々なかたちで病態形成に関わっていることが明らかになってきている.こうしたことから,サイトカインを制御することは,これらの疾患に対する有効な治療法の1つになるものと期待されている.実際,腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor;TNF)やインターロイキン1(interleukin-1;IL-1)やIL-6の活性を阻害する抗体による炎症性疾患の治療が画期的な治療効果を示している.
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