特集 アカデミアの創薬スクリーニング:分子標的からリード化合物発見への戦略
フィンゴリモド塩酸塩(FTY720) アカデミアとの共同研究からの創薬展開
千葉 健治
1
1田辺三菱製薬 研究本部先端医療研究所
キーワード:
多発性硬化症
,
経口投与
,
臨床試験
,
リンパ球
,
治療成績
,
新薬開発
,
Lysosphingolipid Receptors
,
Fingolimod
,
Site-1 Protease
,
生理活性物質
,
冬虫夏草
Keyword:
Fingolimod Hydrochloride
,
Administration, Oral
,
Clinical Trials as Topic
,
Lymphocytes
,
Multiple Sclerosis
,
Treatment Outcome
,
Receptors, Lysosphingolipid
,
Drug Discovery
,
Membrane-bound Transcription Factor Peptidase, Site 1
pp.682-687
発行日 2013年5月22日
Published Date 2013/5/22
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フィンゴリモド塩酸塩(FTY720)はアカデミアとの共同研究をもとにした創薬展開によって見いだされた世界初の多発性硬化症経口治療薬であり,現在欧米や日本など65以上の国で承認されている.FTY720はスフィンゴシンと類似構造を有するため,スフィンゴシンキナーゼによってリン酸化体に変換され,リンパ球の体内循環に必須の役割を果たすスフィンゴシン1- リン酸受容体1型(S1P1 受容体)の機能をブロックすることで免疫調節作用を発揮する.本稿ではFTY720の発見から臨床応用に至る経緯について紹介する.
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