特集 新たな創薬ターゲットとしてのトランスポーター:明らかになるその構造と新機能
Cell Tech Eye 定量的絶対標的プロテオミクスに基づくトランスポーター研究の新展開
内田 康雄
1
,
立川 正憲
,
寺崎 哲也
1東北大学 大学院薬学研究科薬物送達学
キーワード:
Carrier Proteins
,
肝臓
,
血液脳関門
,
種特異性
,
遺伝子発現プロファイリング
,
プロテオミクス
,
陽電子放射型断層撮影
,
Organic Anion Transport Protein 3
,
多剤耐性タンパク質3
Keyword:
Carrier Proteins
,
Blood-Brain Barrier
,
Liver
,
Species Specificity
,
Gene Expression Profiling
,
Proteomics
,
Positron-Emission Tomography
,
Multidrug Resistance Protein 3
,
Organic Anion Transport Protein 3
pp.587-588
発行日 2012年4月22日
Published Date 2012/4/22
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- 文献概要
ヒトのin vivoにおける種々のトランスポーターの輸送活性,およびその種差,個人差,病態変動,性差,年齢差を定量的に明らかにすることは,トランスポーター研究における長年の課題である.古くからトランスポーターの遺伝子欠損動物および強制発現培養細胞を用いた機能解析が行われてきたが,ヒト-動物間あるいはinvitro/in vivo間におけるトランスポーターの輸送活性の差が不明であったため,ヒトのin vivoにおける輸送活性を明らかにすることはできなかった.最近,PET(positron emission tomography)などのイメージング技術の進歩によって,ヒトのin vivoにおけるトランスポーターの輸送活性を実測することが可能になった.しかし,合成可能なプローブ数が少ないこと,および標的トランスポーターに対するプローブの特異性に限界があることから,純粋な輸送活性を評価できるトランスポーターの種類が限られている.ヒトのinvivoにおける種々のトランスポーターの輸送活性を解明するためには,これらの問題点を克服する必要がある.
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