特集 新たな創薬ターゲットとしてのトランスポーター:明らかになるその構造と新機能
精神神経疾患におけるグルタミン酸トランスポーターの役割
田中 光一
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所 分子神経科学
キーワード:
Alzheimer病
,
うつ病
,
強迫症
,
自閉症
,
NMDA Receptors
,
神経系疾患
,
統合失調症
,
片頭痛
,
Glutamic Acid
,
ノックアウトマウス
,
遺伝的素因(疾患)
,
Amino Acid Transport System X-AG
,
Excitatory Amino Acid Transporter 2
,
緑内障-正常眼圧
,
Excitatory Amino Acid Transporter 3
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Autistic Disorder
,
Depressive Disorder
,
Obsessive-Compulsive Disorder
,
Nervous System Diseases
,
Migraine Disorders
,
Schizophrenia
,
Receptors, N-Methyl-D-Aspartate
,
Mice, Knockout
,
Glutamic Acid
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Amino Acid Transport System X-AG
,
Excitatory Amino Acid Transporter 2
,
Excitatory Amino Acid Transporter 3
,
Low Tension Glaucoma
pp.580-586
発行日 2012年4月22日
Published Date 2012/4/22
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グルタミン酸は,中枢神経系において主要な興奮性神経伝達物質であり,記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たしている.しかし,その機能的な重要性の反面,興奮毒性という概念で表されるように,過剰なグルタミン酸は神経細胞障害作用を持ち,様々な精神神経疾患に関与すると考えられている.筆者らは,グルタミン酸の細胞外濃度を制御するグリア型グルタミン酸トランスポーターの機能を阻害したマウスを作製し,そのマウスに神経細胞変性や社会性行動の障害・強迫性行動・統合失調症様の行動異常が起こることを発見した.グリア型グルタミン酸トランスポーターを活性化する化合物は,新しい抗精神神経疾患薬として有用であると期待される.
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