特集 新たな創薬ターゲットとしてのトランスポーター:明らかになるその構造と新機能
WNKキナーゼによる輸送体制御とその異常
内田 信一
1
1東京医科歯科大学 腎臓内科
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
高血圧
,
変異
,
リン酸化
,
Tacrolimus
,
低アルドステロン症-偽性
,
ノックアウトマウス
,
遺伝的素因(疾患)
,
Cullin Proteins
,
Sodium Chloride Symporters
,
Solute Carrier Family 12, Member 1
,
WNK Lysine-Deficient Protein Kinase 1
,
WNK4 Protein
,
病態生理
,
WNK3 Protein
,
OXSR1 Protein
Keyword:
WNK Lysine-Deficient Protein Kinase 1
,
Hypertension
,
Mutation
,
Pseudohypoaldosteronism
,
Phosphorylation
,
Signal Transduction
,
Tacrolimus
,
Mice, Knockout
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Cullin Proteins
,
Sodium Chloride Symporters
,
Solute Carrier Family 12, Member 1
,
OXSR1 Protein, Human
,
WNK4 Protein, Human
,
WNK3 Protein, Human
pp.558-564
発行日 2012年4月22日
Published Date 2012/4/22
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WNKキナーゼは遺伝性高血圧症〔偽性低アルドステロン症Ⅱ型( PHAⅡ)〕の原因遺伝子として同定されたが,機能未知のキナーゼであったため,そのシグナル伝達系の解析が行われてきた.筆者らは,ヒトで発見された WNK4変異と同じ変異を持つ遺伝子改変マウスを作製し解析することで, WNKキナーゼの下流には OSR1および SPAKというキナーゼが存在し,それらが Slc12Aファミリーの Na+ -Cl-共輸送体( NCC), Na+ -K+ -Cl-共輸送体( NKCC)をリン酸化して制御すること,その恒常的活性化が PHAⅡの病態であることを明らかにした.さらに,この系は PHAⅡのみならず,種々の生理的な状態でも腎臓での NaCl出納調節や全身の血圧調節に重要な役割を担っていることが示されてきている.
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