特集 ステップアップのための骨軟部画像診断-Q&Aアプローチ-
(第5章)関節疾患 結晶沈着症にはどのようなものがありますか? また、その特徴を教えてください
山口 哲治
1
,
上谷 雅孝
,
川原 康弘
1長崎大学病院 放射線部
キーワード:
Hydroxyapatite
,
X線診断
,
MRI
,
X線CT
,
中足指節関節
,
痛風
,
軟骨石灰化症
,
回旋筋腱板
,
結晶沈着症
Keyword:
Chondrocalcinosis
,
Gout
,
Metatarsophalangeal Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Rotator Cuff
,
Durapatite
pp.s126-s130
発行日 2015年9月10日
Published Date 2015/9/10
DOI https://doi.org/10.15105/J00235.2015398865
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1. 重要な結晶沈着症には痛風,ピロリン酸カルシウム(CPPD)結晶沈着症,ハイドロキシアパタイト(HA)結晶沈着症があり,いずれも骨軟部組織,特に関節および関節周囲に発生する.
2. 痛風性関節炎は関節周囲に腫瘤を伴う骨侵食が生じ,典型的にはoverhanging edge と呼ばれる辺縁を伴う境界明瞭な骨侵食像を示す.好発部位は母趾の中足趾節間関節である.
3. CPPD 結晶沈着症は偽痛風とも呼ばれ,主に関節や関節周囲の軟骨に石灰化を来す.好発部位は膝関節,手関節,恥骨結合などである.
4. HA 沈着症は肩周囲の腱(腱板)や滑液包に好発し,塊状の石灰化が特徴的である.
5. それぞれの結晶沈着症の好発部位や画像所見の特徴を知っていれば,単純X線写真だけで診断可能な場合も多い.
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