特集 臨床所見から考える婦人科画像診断
腫瘍マーカーから考える婦人科腫瘍② —AFP,hCG,LDH
吉田 美貴
1
,
齋田 司
2
1筑波大学附属病院放射線診断・IVR科
2筑波大学医学医療系放射線診断・IVR学
キーワード:
婦人科腫瘍
,
AFP
,
hCG
,
LDH
Keyword:
婦人科腫瘍
,
AFP
,
hCG
,
LDH
pp.789-797
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000005525
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● 未分化胚細胞腫はLDH高値となる.多結節性の充実部が線維血管性隔壁で境される所見が特徴的である.
● 卵黄嚢腫瘍ではAFP著明高値となる.出血・壊死により充実成分と嚢胞成分が不均一に混在する多房性嚢胞性腫瘍として認められ,非常に多血性である.
● 絨毛性疾患は臨床的にはhCGの異常高値から診断される.子宮に生じる妊娠性が一般的で,卵巣に生じる非妊娠性絨毛癌は稀である.多血性であり,ダイナミックMRIで早期濃染を呈する.
● 子宮平滑筋肉腫ではLDHが上昇することが知られている.変性筋腫との鑑別が問題となるが,拡散制限や出血,壊死を認める場合は肉腫をより疑う.
● 婦人科腫瘍において悪性リンパ腫は稀ではあるが,sIL-2R以外にLDH上昇もみられ,診断の一助となることがある.
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