特集 解剖と病態生理から迫る呼吸器画像診断
第Ⅰ章 マクロ解剖と病変の画像 6 胸膜および胸膜直下の肺の病変
加藤 勝也
1
1川崎医科大学総合医療センター放射線科
キーワード:
胸膜の正常構造
,
胸膜由来病変
,
胸膜肥厚
,
石綿肺癌
Keyword:
胸膜の正常構造
,
胸膜由来病変
,
胸膜肥厚
,
石綿肺癌
pp.A86-A99
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001897
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• 胸膜・胸壁の正常構造を理解しておけば,末梢肺病変か壁側胸膜由来病変かなど病変の局在に迫れる場合がある.
• 胸膜プラークは石綿ばく露の医学的所見として用いられ,画像診断が最終診断となるため,石綿肺癌の認定基準とともにその所見に精通しておく必要がある.
• 胸膜炎,膿胸の診断の際には臓側胸膜,壁側胸膜,胸膜下脂肪層の構造の理解とその所見が重要である.
• 臓側由来,壁側由来を考える際にダイナミックCT が撮影されていれば,供給動脈,導出静脈の局在が参考になる.
• 胸膜中皮腫は石綿ばく露との強い因果関係があり,悪性度が高く予後不良であるが,60%程度では胸膜プラークを有さず,初期病変では画像所見にて胸膜不整を示さない場合があることも知っておく必要がある.
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