画像診断と病理
多房性胸腺嚢胞
上硲 敦文
1
,
園村 哲郎
1
,
小嶋 章裕
2
1和歌山県立医科大学放射線医学講座
2岸和田徳洲会病院放射線科
キーワード:
多房性胸腺嚢胞
,
悪性リンパ腫
,
胸腺癌
Keyword:
多房性胸腺嚢胞
,
悪性リンパ腫
,
胸腺癌
pp.1342-1343
発行日 2018年11月25日
Published Date 2018/11/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000000861
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症例は50歳台,女性.検診の胸部単純X線写真で縦隔の拡大を指摘され,精査目的で紹介された.特に自覚症状はなく,開胸術や放射線治療の既往もなかった. 単純CT(図1-A)で,前縦隔に多房性嚢胞性病変が認められる.内部の吸収値は35HUであり,粘稠な液体成分や出血が疑われた.造影検査の平衡相では,病変内の隔壁に淡い造影効果が認められた(図1-B;→).病変内の充実成分や縦隔のリンパ節腫大は認められなかった.また,FDG-PET/CTでは,隔壁にごく軽度の集積(SUVmax=1.8)が認められた(図2).胸腺癌などの合併を否定できないことから,胸腔鏡下腫瘍摘出術が施行された.
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