特集 サインから読み解く婦人科画像診断
7. その他の女性骨盤部疾患に関連するサイン 6. 女性骨盤部の核医学診断に関連するサイン
北島 一宏
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1兵庫医科大学放射線医学講座核医学・PET 診療部
キーワード:
骨シンチグラフィ
Keyword:
骨シンチグラフィ
pp.950-953
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000000059
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骨シンチグラフィで,仙骨へのH字型の集積パターン.より典型的な場合は,本田技研工業のクルマのマークのように,上の方が長いH字型の集積を,Honda signという.骨盤のinsufficiency fracture(脆弱骨折,不全骨折)に特徴的である1).仙骨の脆弱骨折(不全骨折)は,脆弱になった骨に反復性の生理的な力によって発生するストレス骨折の一種とされ,骨粗鬆症,ステロイド長期投与,関節リウマチ,放射線治療の既往などが,その原因とされる.しばしば,恥骨にも病変を伴う.単純X線写真では診断困難であり,骨シンチグラフィやCTが診断のポイントとなる.CTでは新鮮例に骨折線を確認でき,陳旧例に硬化像を確認できる.MRIにおいて,特にT1強調像やSTIR像で仙骨部の信号変化をとらえやすい.放射線治療歴のある高齢女性に仙骨骨折と恥骨骨折が生じて,骨シンチグラフィで仙骨にHonda signを呈し,CTとMRIで確認できた症例を提示する(図1).
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