特集 アストロバイオロジーとの遭遇:生命のルーツを探る旅
生命の惑星間移動を検証
河口 優子
1
1東京薬科大学 生命科学部
キーワード:
パンスペルミア仮説
,
宇宙実験
,
たんぽぽ計画
Keyword:
パンスペルミア仮説
,
宇宙実験
,
たんぽぽ計画
pp.129-134
発行日 2016年1月22日
Published Date 2016/1/22
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生命が宇宙空間を移動すると考える「パンスペルミア仮説」が約100年前に提案された.しかし,この仮説は検証が難しく,長らく放置されていた,その後,大気圏上空で微生物の捕集実験が行われ,成層圏でも微生物が存在することがわかった.この結果は地球上から微生物が大気圏上空へ移動していることを意味している.また,宇宙空間で微生物の曝露実験が行われ,一部の微生物は,紫外線を遮蔽できる岩石や微生物凝集体(バイオフィルム)の内部であれば,宇宙空間でも長期生存可能である結果が得られている.地球から宇宙への微生物の移動の可能性と,微生物凝集体が宇宙空間で長期生存できるかどうかを検証するために,現在国際宇宙ステーションで行われている宇宙実験「たんぽぽ計画」について解説する.
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