第2特集 ここまでわかった!気象と体調不良
天気と疾患の関連性は?
気象病のメカニズム
佐藤 純
1,2
1愛知医科大学病院 疼痛緩和外科・いたみセンター
2竹橋クリニック
pp.730-733
発行日 2026年5月1日
Published Date 2026/5/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2026060014
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はじめに
悪天候や変動の激しい気象条件は,人々の健康に悪影響を及ぼすことが知られている1).この現象は一般的に気象病と呼ばれ,慢性痛,うつ病,喘息,脳梗塞,メニエール病などの疾患との関連が知られている.そのなかでも,痛みが主症状の場合を気象関連痛(天気痛)という.これまでの研究から,天気痛は頭痛,肩こり,頸部の痛み,倦怠感,古傷の痛みなどのさまざまな身体的症状に加え,抑うつや焦燥感などの精神的症状を伴うことがわかっている1, 2).筆者が開設している気象病・天気痛外来(愛知医科大学病院 疼痛緩和外科・いたみセンター)の初診患者調査によると,気象関連痛の頻発部位は頭部,ついで頸・肩であり,これらで全体の59%を占める.一方で,頭痛が明らかでなく,めまい,耳鳴り,倦怠感,抑うつなどの症状が強く出ている症例も少なくない.さらに,疼痛の程度は中等度が多いが,破局的思考,すなわち痛みに執着する傾向が高めであり,自己効力感,すなわち特定の目標を達成するために必要な活動を遂行する自信の程度が低いことも明らかとなっている.これらのことから,自分では変えようがない「気象変化」に体調が左右されることで精神面にも影響が及んでいることがわかる.本稿では,筆者がこれまでの研究で明らかにしてきた気象関連痛における気圧変化が関与するメカニズムについて述べる.

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