特集 プライマリ・ケアでみる睡眠の悩み
各論:さまざまな主訴に伴う睡眠の悩み
「日中眠くて仕方ない」への対応
田中 夏実
1
,
喜瀬 守人
2
1生協浮間診療所
2久地診療所
pp.430-433
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024040017
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はじめに
日中の眠気に対する鑑別は多岐にわたる.UpToDateのExcessive daytime sleepness (日中の過度の眠気)1)という項目には,睡眠リズム障害から神経疾患,遺伝的疾患,精神 障害,薬剤性などの多数の鑑別疾患があがっている(表1).しかし,プライマリ・ケアの 現場で,はじめからこの多岐にわたる疾患の鑑別を行うことは現実的ではない.まずは 「これはなんの病気か?」という鑑別診断のプロセスを起動するのではなく,患者の症状 (どういうときに眠くなるのか,うとうとするのか,突然眠りに落ちるのかなど)や生活歴 (仕事内容,勤務形態,家族構成,育児や介護の状況など),一日の睡眠・生活パターン(何 時に起きて何時に布団に入り,眠れるのは何時頃か,中途覚醒,夜間のトイレの回数,昼 寝の有無など)を聴取し,帰納的に眠気の原因を探っていくことが望ましい.患者は疲労 や倦怠感などを「眠気」と表現している場合もあるため,注意深く患者の話を聞く必要が ある.
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