特集 プライマリ・ケアでみる睡眠の悩み
各論:さまざまな主訴に伴う睡眠の悩み
「足がむずむずして眠れない」,「足がつって起きてしまう」への対応
菊池 徹哉
1
,
藤沼 康樹
1
1生協浮間診療所
pp.426-429
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024040016
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はじめに
本稿では睡眠障害のなかでも睡眠時随伴症候群に分類される「足がむずむずして眠れな い」,「足がつって起きてしまう」という症状について考えていきたい.まず,具体的な症 例を2つ提示する.
症例1
40 代女性.郵便局勤務.とくに既往はなく,子どもが2 人いる.最近,足がゾワゾワして眠 れないことが増えていると相談に来た.ネットで調べるとむずむず脚症候群という病気があっ て,パーキンソン病の薬が効くと書いてあり,その処方を希望している.
症例2
80 代男性.独居.杖歩行で診療所に通院している.デイサービスを利用していない,運動習 慣もない.既往歴は高血圧,糖尿病.飲酒が好き.「あと68 番(芍薬甘草湯)ください.これが ないと足がつって激痛で起きてしまいます」と訴える.
2つの症例はどちらも足の症状によって眠れないケースであるが,症例1は“むずむず脚 症候群”,症例2は下肢有痛性筋けいれんで,いわゆる“こむら返り”の症例である.それ ぞれがどのような疾患か,ほかの鑑別も交えて説明する.
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