特集 総合診療×脳梗塞
回復期から慢性期:リハビリテーションからその後年余にわたる慢性期管理
福祉との連携/介護保険主治医意見書の書き方/身体障害者手帳
梁 祐輔
1
,
玉井 杏奈
1
,
真崎 翔一
2
1台東区立台東病院 総合診療科
2東京大学医学部附属病院 リハビリテーション科
pp.1378-1383
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023110014
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はじめに
急性期や回復期加療を経た脳梗塞患者は,自宅や施設などへ退院後,脳梗塞発症前と同 様に生活を営めるだろうか? 家庭や社会への復帰に向けて,福祉・介護サービスを必要と する場合がある.患者・家族や医療ソーシャルワーカーなどが連携して手続きを進めるか たちが多いが,医師として概要を知っておく必要がある. 40歳未満の場合,障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの支給申請ができる.こ れには自立支援給付として,生活上必要な介護を受ける「介護給付」と,生活の自立や就 労を目指す「訓練等給付」などがある.40歳以上では,介護保険による介護サービスの適 用となる.介護サービスは,障害者福祉サービスより優先されるが,自立訓練や就労移行 支援など介護保険にないサービスについては,障害者福祉サービスを利用することができ る.さらに,身体障害者手帳といった障害者手帳を取得すると,医療費の助成や車椅子・ 装具の費用の助成などのサービスが受けられる.また障害をかかえても安定して働けるよ う,障害者雇用促進法が定められている. 脳梗塞発症後,治療や療養・生活を金銭的に支える制度もある.公的年金である障害年 金を受給できるほか,会社員などで条件を満たした場合,給与の2/3が支給される傷病手 当金を最長で1年6 ヵ月間にわたり受給できる.また,仕事復帰が難しく退職となった場 合,雇用保険より失業手当を受け取れる.
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