連載 総合診療POEMs ─診療で使える!旬なオススメ文献─ 第14回
プロトンポンプ阻害薬の長期使用は胃がんのリスクとなる可能性がある
岡田 悟
1
,
服部 貴憲
2
,
西村 正大
2
1東京北医療センター 総合診療科
2地域医療振興協会 奈良市立都祁診療所
pp.1298-1301
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023100023
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プロトンポンプ阻害薬の長期使用は医学的に問題があるのか?
医療業界において,不適切に,適応症なしで,推奨よりも長期間処方されているプ ロトンポンプ阻害薬(PPI)に対して治療を再評価し,そのようなPPI処方を改める動 きがみられている1).たしかに筆者自身,日常診療において,逆流性食道炎や胃潰瘍 などの病名がついた患者にPPIが患者の症状にかかわらず継続処方されている症例は 多いように感じている.なかには,PPIの中止やヒスタミンH2 受容体拮抗薬(H2RA) への変更などを患者に提案しても「ずっと飲んでいるから」,「飲んでおいた方が安心」 などの訴えにより漫然と処方されている症例もあるのではないだろうか.勿論,不必 要な処方は中止するべきであるが,PPI処方を継続することに問題はないのだろうか, という疑問をもった.
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