連載 総合診療POEMs ─診療で使える!旬なオススメ文献─ 第13回
重症市中肺炎患者にステロイドは有用なのか?
岡田 悟
1
,
福住 美早樹
2
,
井上 博人
2
1東京北医療センター 総合診療科
2市立奈良病院 総合診療科
pp.1042-1045
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023080024
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重症市中肺炎患者ではステロイドにより 死亡リスクを減らすことができるかもしれない
市中肺炎(community-acquired pneumonia:CAP)患者にステロイドを投与するべ きかどうかについては,明確な答えは得られていない.アメリカ感染症学会(Infectious Diseases Society of America:IDSA)・アメリカ胸部学会(American Thoracic Society: ATS)のガイドライン(2007年)では,敗血症性ショックを合併したCAP患者におい て,ステロイドが予後を改善すると記載されている.しかし,非重症CAP 患者では ルーチンでステロイドを投与しないことを強く推奨しており,敗血症性ショックを合 併していない重症CAP患者においても投与しないことを弱く推奨している1).日本呼 吸器学会の『成人肺炎診療ガイドライン2017』ではCAP 患者にステロイドを投与し ないことを弱く推奨するが,重症CAP患者に対しては投与することを弱く推奨すると している2).CAP患者にステロイドは有用ではないのだろうか?
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