特集 患者の不安をやわらげるクリニカルスキル
診るスキル
怖がる小児を診るスキル
宮本 雄策
1
1聖マリアンナ医科大学 小児科学
pp.734-738
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023060010
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はじめに
筆者が小児科医になりたての頃,学生時代に剣道部の先輩であった内科医から「こども もちゃんと会話ができれば診察できるけどな!」と言われたことがある.彼の内科医とし ての技量を評価する立場にはないが,今でもこどもの診療は好きでも得意でもないであろ うと予想する.
身体的にも,知的・精神的にも発達途中にあるこどもの診察は,① 会話ができない, ② 指示に従わない,③ 暴れる(場合もある)ことなどは,そもそも前提となっている.一 方で大人の期待する行動との乖離程度というのは,こどもにより違いが大きく,なかには 待合室の段階から大暴れという場合も決して珍しくない.
一言で「怖がる」といってもその理由はさまざまであり,対応にガイドライン的な正解 はないと考えている.しかし,自身で心がけている対応には若干の工夫がある.ここでは 経験を踏まえて自身の考えを紹介する.
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