特集 現場のリアルを「薬学」する 向精神薬の適応外使用
向精神薬の適応外処方のリアルに向き合う⑤ がん患者の悪心・嘔吐 ─CINV・OINVを中心に─
岡本 明大
1
1三重大学医学部附属病院 薬剤部
pp.1089-1093
発行日 2026年6月5日
Published Date 2026/6/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2026070011
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Key Points
化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)に対するミルタザピンは,標準制吐療法(5-HT3受容体拮抗薬・NK1受容体拮抗薬・デキサメタゾン)に抵抗性の遅発期悪心・嘔吐に対して有効な適応外使用の選択肢であり,食欲不振・不眠を合併するがん患者では多面的な症状緩和が期待できる.
オピオイド誘発性悪心・嘔吐(OINV)に対する制吐薬の質の高いランダム化比較試験は乏しく,プロクロルペラジンのルーチン予防投与は無効であることが示されている一方,オランザピンは複数の受容体遮断作用を有し,難治性OINVに対する適応外使用として有望な選択肢となりうる.
向精神薬を適応外使用する際は,過鎮静・錐体外路症状・代謝異常・QTc延長などの薬剤特有のリスクを事前に評価し,適応外であることを患者に明示したうえで同意を取得するとともに,薬剤師による継続的なモニタリングと薬学管理が不可欠である.

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