特集 Hey 薬剤師外来 「外来診療の質を上げる方法を教えて」
チェンジ,外来診療 ─「薬剤師外来」のリアル15③ がん薬物療法外来-肝細胞がん アテゾリズマブ+ベバシズマブ療法の有害事象管理
稲垣 貴士
1
,
市村 丈典
2
1昭和大学薬学部 病院薬剤学講座
2昭和大学横浜市北部病院 昭和大学藤が丘病院
pp.1199-1205
発行日 2024年7月5日
Published Date 2024/7/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2024080015
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Key Points
肝細胞がんの薬物療法の開始前に,Child-Pugh分類やALBIスコアといった指標を用いた肝予備能の確認が重要である.
切除不能進行・再発肝細胞がんに用いられる薬物療法は,免疫チェックポイント阻害薬および分子標的薬が中心である.
免疫チェックポイント阻害薬のアテゾリズマブによる免疫関連有害事象の対応は,消化器内科医師のみならず,薬剤師外来での指導をはじめとした多職種連携での早期発見と早期治療が重要である.
分子標的薬のベバシズマブによる高血圧症の管理に加えて,肝細胞がんの病態を考慮した出血性の合併症や有害事象の発現状況を確認する.
免疫チェックポイント阻害薬による治療を継続するため,薬剤師外来を担当する薬剤師は薬局薬剤師と連携して起こりうる免疫関連有害事象を把握し,的確な患者面談および評価を行い,積極的に問題点に関わることが求められる.
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