特集 睡眠薬のトリセツ 今すぐ使える不眠治療の処方箋
キホン事例で学ぶ「ファーストチョイス」その理由③ 認知症患者の不眠
小路 純央
1,2
1久留米大学 高次脳疾患研究所
2久留米大学医学部 神経精神医学講座
pp.236-241
発行日 2023年2月5日
Published Date 2023/2/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023020016
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Key Points
❶私の第一選択薬
認知症における不眠に対する決定的な薬物療法は確立されておらず,まずは昼間の覚醒の促し,光曝露量の調整を含めた睡眠衛生の強化の方がより重要視される.
❷薬剤使用時の留意点
ベンゾジアゼピン系睡眠薬あるいはベンゾジアゼピン受容体作動薬は,前向性健忘や持ち越し効果による認知機能低下,筋弛緩作用によるふらつきや転倒,せん妄のリスクを高める可能性があり,また,その使用により認知症リスクを上昇させる可能性についての議論もあるため,安易な使用は避けるべきである.
❸非薬物療法で改善しないときの代替薬
非薬物療法で改善しない場合は,1日の睡眠・覚醒リズムや睡眠障害の病態に応じて,オレキシン受容体拮抗薬(レンボレキサントやスボレキサント),メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)などの使用を試みる.
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