特集 睡眠薬のトリセツ 今すぐ使える不眠治療の処方箋
キホン事例で学ぶ「ファーストチョイス」その理由① 一過性の不眠への頓服希望
加藤 隆郎
1
,
小路 純央
1,2
1久留米大学医学部 神経精神医学講座
2久留米大学 高次脳疾患研究所
pp.224-228
発行日 2023年2月5日
Published Date 2023/2/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023020014
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Key Points
❶私の第一選択薬
オレキシン受容体拮抗薬であるレンボレキサント(デエビゴ®)
❷第一選択薬使用時の留意点
副作用として傾眠,頭痛,倦怠感の出現率が3%以上,睡眠時麻痺,浮動性めまい,異常な夢,悪夢,悪心,体重増加が1~3%未満で出現する点は留意する必要がある.また食事の影響を受け,入眠効果が減弱する可能性があるため,服用は就床直前に行い,食直後の服用は避ける.CYP3Aにて代謝されるため,CYP3Aを中程度または強力に阻害する薬剤(フルコナゾール,エリスロマイシン,ベラパミル,イトラコナゾール,クラリスロマイシンなど)の併用に注意する.
❸第一選択薬が使えないときの代替薬
オレキシン受容体拮抗薬であるレンボレキサントの代替薬としては,スボレキサントである.しかし,スボレキサントもオレキシン受容体拮抗薬という括りから,同様に使用できない場合が多い.その際は,頓服という観点ではベンゾジアゼピン系睡眠薬でも依存性が比較的少なく,加えて出口戦略からもエスゾピクロンが望ましい.
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