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委員会報告
老年看護政策検討委員会活動報告─平成28年度診療報酬改定「認知症ケア加算」のプロセス
Gerontological Nursing Policy Exploratory Committee
亀井 智子
1
,
堀内 ふき
2
,
正木 治恵
3
,
泉 キヨ子
4
,
松本 佐知子
5
,
島橋 誠
6
,
千吉良 綾子
7
Tomoko Kamei
1
,
Fuki Horiuchi
2
,
Harue Masaki
3
,
Kiyoko Izumi
4
,
Sachiko Matsumoto
5
,
Makoto Shimahashi
6
,
Ayako Chigira
7
1聖路加国際大学大学院
2佐久大学
3千葉大学大学院
4帝京科学大学
5松戸ニッセイエデンの園
6日本看護協会
7東京慈恵会医科大学
1St. Luke's International University Graduate School
2Saku University
3Chiba University
4Teikyo University of Science
5Matsudo Nissei Eden no Sono
6Japanese Nursing Association
7The Jikei University School of Medicine
pp.76-81
発行日 2016年7月31日
Published Date 2016/7/31
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
2013〜2015年度の政策検討委員会の活動は,身体疾患で入院する認知症高齢者等へのチーム医療の診療報酬化の提案に集約される.認知症高齢者等にとっての入院は,それまでの生活環境とは異なる場で行われる治療に伴う苦痛や制約のため,入院生活への適応が困難となることが多く,行動・心理症状(BPSD)といわれる行動が出現したり,意思疎通に困難が生じる場合など,看護上の課題を生じることがある.これらは「安全管理」という名のもと,身体拘束を行う要因のひとつにもなっていると考えられる.
一方で,入院した認知症高齢者等の個別特性に応じた多職種ケアチームをつくり,多職種協働ケアにより,認知症高齢者等が落ち着いて入院治療できた等の成果も報告されている(日本老年看護学会老年看護政策検討委員会,2014).これらのことから,認知症ケアに専門的知識をもった多職種チームによる質の高いケアを提供し,認知症高齢者等が安心して,かつ安全に入院治療を受けられるための仕組みをつくることが必要であり,日本老年看護学会が特に推進すべき課題であると考える.
当委員会では,平成28年度改定の診療報酬化を見据え,「入院した認知症高齢者等へのチーム医療加算」の提案を行い,それを実現することができた.本論では,時系列に沿って活動内容の概要を報告する.
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