Japanese
English
研究ノート
老人性難聴をもちながら地域で暮らす高齢者の体験の意味
The Meaning of Experience for Elderly with Presbycusis Living in Community
大島 あゆみ
1
,
宮中 めぐみ
2
,
泉 キヨ子
3
,
平松 知子
3
,
加藤 真由美
4
Ayumi Oshima
1
,
Megumi Miyanaka
2
,
Kiyoko Izumi
3
,
Tomoko Hiramatu
3
,
Mayumi Kato
4
1金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻博士前期課程
2金沢大学医学部附属病院
3金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻
4京都市立看護短期大学
1Master's Course Student, Division of Health Science, Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University
2Kanazawa University Hospital
3Division of Health Science, Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University
4Kyoto City Junior College of Nursing
キーワード:
老人性難聴
,
高齢者
,
地域
,
生活
,
presbycusis
,
elderly
,
community
,
living
Keyword:
老人性難聴
,
高齢者
,
地域
,
生活
,
presbycusis
,
elderly
,
community
,
living
pp.53-61
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本研究の目的は,老人性難聴をもちながら地域で生活している高齢者の体験の意味を明らかにすることとした.対象は耳鼻科医に老人性難聴の診断を受け,地域で生活している高齢者17名である.方法は半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した.その結果,難聴高齢者は何とかして聞きたいと積極的に工夫して聞いていた.一方では,すべてを聞こうとは思わないと聞かなくてもよいと思えることを自ら選択していた.また,聞こえづらさにより趣味や仕事,人との関わりに影響を受けるだけでなく,身の危険も感じていた.補聴器は思いどおりにならないとしながらも,自分が補聴器に合わせて慣れなければならないと,聞きたい場面で補聴器を利用していた.さらに,難聴高齢者は聞こえそのものや他人と比較し自分を捉え,今後も何とか死ぬまで聞こえを保持したいと思いながら,地域で生活していることが明らかになった.以上より,難聴高齢者がさまざまな思いをあわせもち地域で生活していることを理解し,「聞きたい」という強みを支える援助の必要性が示唆された.
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