Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
はじめに
我が国は戦後の想像を絶する厳しい食糧難の時代を経て、高度経済成長の中で生活は豊かになり、食生活の向上、医学の進歩、社会環境の整備などにより世界一の長寿国となった。しかし、その一方で栄養のアンバランスや食生活の乱れ、運動不足などがあいまって、糖尿病・心臓病・高血圧・癌などの生活習慣病が増加し医療費は増加の一途をたどっている。21世紀は少子・高齢社会の到来であり、高齢者の問題は生活・健康・介護である。厚生省は健康日本21施策をとりあげ健康寿命の延伸・QOLの向上を目指し、2010年までの目標を設定し国民運動を展開している。また中高年層の生活習慣病および予備軍は確実に増えており、その傾向は今後さらに上昇するものと危惧される。過食や過剰栄養、運動不足、社会環境やストレスなどの疾病ファクターが増えているなか国民の健康志向は、サプリメントや補助食品を含み食への関心はかつてないほど高まっている。
厚生省は生活習慣病の増加のなか、国民の健康に関する問題に対応しうる管理栄養士を養成するために平成12年3月に栄養士法を改正した。管理栄養士と栄養士の位置づけには職務内容の記載がなく「複雑困難な栄養の指導等」と不明確で抽象的であったが、今回管理栄養士の業務を「傷病者に対する疾病のために必要な栄養の指導」「個人の身体状況、栄養状態に応じた高度の専門的知識および技術を健康の保持増進のための栄養指導」「特定多数人に対して継続的に食事を提供する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理およびこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等」と明文化した。これは医療、保健、あるいはフードサービスの3分野に職務内容が専門分化していくことを想定したものと考える。医療の中で管理栄養士はどうあるべきか、医療スタッフとの関わり、患者様との関わり方はどうあるべきかを考えてみたい。
Copyright © 2001, Japan Society of Nursing and Health Care All rights reserved.