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委員会活動報告
日本災害看護学会 災害看護教育活動委員会報告—2022年度第一回災害看護教育セミナー開催報告
Report of the Japan Society of Disaster Nursing Disaster Nursing Educational Activities Committee: Report on the First Disaster Nursing Education Seminar in 2022
宮前 繁
1,2
,
村田 美穂
1,3
,
佐々木 久美子
1,4
,
久保 恭子
1,5
Shigeru Miyamae
1,2
,
Miho Murata
1,3
,
Kumiko Sasaki
1,4
,
Kyoko Kubo
1,5
1日本災害看護学会災害看護教育活動委員会
2東京医科歯科大学病院
3埼玉医科大学
4日本赤十字秋田看護大学
5東京医療保健大学
pp.76-86
発行日 2023年5月31日
Published Date 2023/5/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200595
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Ⅰ.背景
日本の災害医療は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災を契機として体制整備が本格化し、その後も、度重なる災害受け、体制の強化が図られてきた(厚生労働省,2011;厚生労働省医政局長,2012)。この中で、構造や備蓄といった数値化された基準が示されているが、継続教育という面は、具体的に示されていない。
全国の災害拠点病院222施設から回答を得た調査では、職員対象の災害教育、研修を施設内で開催していたのは68.2%であった(西上ら,2009)。また、全国5,190施設の病院看護部を対象にし、1,999件の回答を得た西上ら(2020)の災害への備え意識に関する調査では、施設内に災害対策に関する組織がある77.4%、施設内で災害看護教育・研修の実施がある54.3%、さらに施設内の教育は、災害拠点病院でない施設より災害拠点病院の方が多く実施されており、多くの施設で教育を牽引しているであろう部署等の設置がされていた。実施された教育の効果として、災害対応イメージの具体化、対応の理解、意識の変化などがもたらされると明らかになっているとともに、その後の対策として取り組むべき事項が明確になったことが複数報告されていた(谷川ら,2018;那須,2020)。このように、平時からの教育機会を通じ、災害対策への意識向上や備えの具体化を図り、実践レベルでの災害対応の理解を深めて災害対策強化へ取り組むことが望ましいのは明らかである。
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