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Ⅰ.緒 言
がんと診断された患者は治療を受けながら生活していくなかで,さまざまな問題をかかえることが報告されている1).がん患者にとって就労の継続は経済的困難を軽減するだけでなく,精神的な安寧にもつながる2)と報告されている一方で,身体的,心理的負担を与え,治療と両立させることが難しく,がん患者の就労継続には,複数の側面から支援が必要となる.
先行研究では,病院に勤務する医師や看護師は,がん患者の社会復帰や経済的問題に対して効果的な指導が行えていないこと3)が報告されている.その理由として,がん患者の就労に関する知識不足3)4)が指摘されている.がん患者は長期にわたる療養生活が必要であり,今後,医療の現場においても治療と就労を両立するための支援に対するニーズが高まることが予測されることから,治療中のがん患者に関わる機会をもつ病棟看護師は,がん患者がかかえる就労上の問題について知る必要がある.
看護師の知識には,研修への参加経験,経験年数5)や,患者・家族とのコミュニケーションによる経験6),所属する病院機能の違いが関連7)するといわれている.特に,がん診療連携拠点病院などの指定を厚生労働省より受けている施設(以下,拠点病院とする)などのがん医療を重点的に提供している病院所属の看護師と,がん診療連携拠点病院などの指定を厚生労働省より受けていない施設(以下,一般病院とする)などの,がんに特化せず一般の診療を行っている病院所属の看護師とでは,がん患 者の就労に関する知識や認識に違いが生じているかもしれない.そこで本研究では,拠点病院および一般病院それぞれにおける病棟看護師のがん患者の就労に関する問題のとらえ方について調査を行うことにした.
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