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Ⅰ.はじめに
国民病といわれるがんに対し,国を挙げてがん医療の改革がすすんでいる.看護の分野では厚生労働省の事業として,平成18年度「専門看護分野(がん・糖尿病)における質の高い看護師の育成事業」が開始された.これは,昨今の医療背景に伴い,①継続看護や地域看護の重要性が増したこと,②地域の基幹病院では院内の看護スタッフ教育と,病院の枠組みを越えて地域の看護師教育の役割を担うことへの社会的な要請が背景にあると考えられる.
日本がん看護学会(Japanese Society CancerNursing:JSCN)は厚生労働省の事業推進に貢献することを理事会において承認し,平成18年10月に標準的な研修プログラムとして「がん看護実践に強い看護師育成プログラム」1)を発表した.これは,育成事業が各地域において円滑かつ効果的に実施され,それによりがん看護実践に携わる看護職員の質向上に寄与することを目的としている.実際の研修は,受け入れ先施設がもつそれぞれのリソースにおいて実施・運営となる.そのため,研修対象や内容の施設差があり,研修企画・運営の指導者である看護管理者,がん看護専門看護師(certified nursespecialist:CNS),がん看護分野の認定看護師(certified nurse:CN)たちの悩みになっているとの声が学会においてもあがっていた.
そこで,一定の教育水準を担保するために,相談に乗る組織が必要と考え,教育・研究活動委員会が指導者支援事業(以下,支援事業)を開催することにした.また支援事業は,平成18年に実施したCNS調査の課題も踏まえてCNSへの継続的なキャリアアップ支援事業の一環として企画された.したがって,CNSが運営する日本専門看護師協議会がん看護分野,および国立がんセンター主催の「がん看護研修企画」の指導者研修に携わるCNSなどと協力体制をとり実施することにした.現在では,院内におけるがん看護研修にも幅を広げて相談を受けている.
本稿では,学術集会会期中に開催した平成19〜21年度の支援事業について報告する.
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