Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
本研究の目的は,糖尿病サポーターの育成の観点から,一般の人々がもつ糖尿病のイメージの実態を明らかにすることを目的に,街頭,看護識者,市民セミナーなどを通じてアンケート配布を行い,糖尿病のイメージ,糖尿病の知識,などについて調査を行った(配布905部,回収388部(回収率42.9%)).対象は,糖尿病と言われたことがない368名で,身近な人で糖尿病の人がいないと回答した人は,368人中184人(50%)であった.1)糖尿病のイメージについての質問項目では,「糖尿病は身近な病気だ」と回答した人の割合は,83.4%と高い割合であった.また,「糖尿病は大した病気ではない」と回答した人の割合は,12.8%と低い割合であった.しかし,「糖尿病が悪化すると起きると思うもの」として生命の危機にさらされる危険性のある心筋梗塞や脳卒中をあげた人の割合は半数程度に留まっていた.2)糖尿病のイメージの質問項目について「10年前はどうだったか」を回答してもらい比較したところ,「糖尿病は大した病気ではない」は得点が低下(そう思わない方向への変化)した人の割合が46.7%,「糖尿病は身近な病気だ」では得点が増加(そう思う方向への変化)した人の割合が55.2%であった.
【考察】糖尿病サポーターの育成の視点から考えると,糖尿病が生命の危機にさらされる危険性のあることについて理解を深めてもらう必要があり,周りの人に糖尿病であることを話していない人もいることを想定した糖尿病サポーターのサポートのあり方を検討していく必要があると考えられた.特定健診・特定保健指導の導入がきっけとなり,糖尿病へのイメージが大きく変化した今だからこそ,自助努力としての健康増進だけでなく,地域で支えあう健康管理という意味における糖尿病サポーターの育成は重要な課題である.
Copyright © 2012, Japan Academy of Diabetes Education and Nursing. All rights reserved.