第11回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●シンポジウム
標準化の意義について考える
飯塚 悦功
1
Yoshinori Iizuka
1
1東京大学大学院工学系研究科
1School of Engineering, The University of Tokyo
pp.67-74
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
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はじめに
「標準」や「標準化」という用語から何を思い浮かべるであろうか.規制,ルール絶対主義の石頭,マニュアル人間,画一的,独創性の敵,多様性の無視….これらはいずれも「標準/標準化」のある側面を語っている.だが,多くの場合,標準/標準化の深遠なる意味を理解したうえでこうしたことを思い浮かべたわけではないだろう.
標準は,管理/マネジメントにおける「計画」の結果であり,標準化によって「経験の再利用」や「省思考」が可能となる.標準の内容は「技術・知識基盤」そのものである.標準化は「改善の基盤」となる.標準化は「独創性の基盤」でもある.こうした表現の意味自体がわからないかもしれない.なんとなくわかるにしても,にわかには信じがたいだろう.
本稿では,管理/マネジメント一般では常識である標準や標準化にかかわる概念や方法論が,医療・看護分野においてもまた通用すること,いやそれどころか,課題の解決にあたって重要なヒントとなることを述べる.これまでまったく聞いたことのない視点からものごとを見ることによって,標準や標準化に関してもやもやしていた霧が晴れ,一気に視界が開けることを期待する.
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